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Oversteps/Autechre

Oversteps [帯解説付/ボーナストラック1曲収録/国内盤] (BRC252)
Oversteps [帯解説付/ボーナストラック1曲収録/国内盤] (BRC252) [CD]

このところの自分の気分・趣味趣向にすっぽりとハマって,
頻繁に聴いているのがこのアルバムです。

エレクトロニカ,IDMを代表するデュオ
Autechreについては,深く説明する必要すらないでしょう。
常に実験的かつ革新的である姿勢は,多くのアーティストに影響を与え,
中でもRadioheadのトム・ヨークがその影響を公言したエピソードは,あまりにも有名です。
そのAutechreが,また新たな地平を開拓したのがこの2010年に発売されたアルバムでした。

人によっては「難解に過ぎる」と評されていた名作Confieldですら,
本作の前では,「分かり易い」ものとして感じられます。
untilted辺りまで使用されていた共通言語としてのグルーヴは消え去り,
リズムだけが置き去りにされ,辛うじて定型を留めている音像のみが,
立ち現われては消えていくのです。

ビートレスでアンビエンス。
(正確にはビートは刻まれているものの,
それはもはや「メトロノーム」の役割を果たしてくれる優しさを放棄しています。)
クラブミュージックという範疇からはもはや完全に離脱したAutechreの音は,
さながら「観賞する」ための音像といった趣で,
現代美術を鑑賞しているような,そんな気持ちにさせてくれます。
ビートミュージックの快楽を求めるのであれば,本作は全く役に立たないでしょう。
しかし,その美しい音像を見つめることに喜びを見いだせるのであれば,
深い悦の世界へといざなってくれます。

一番好きな曲は「qplay」ですが,本作は特定の曲をのみ聴くというよりも,
アルバム全体を通して聴くのが良い作品だと思います。
衝撃作というよりは,ジワジワ来る良作といった趣ですが,
既存の音楽に飽きて,新しい刺激を求めている方は是非。

「包括将来債権譲渡」対「債権発生時になされた譲渡禁止特約」

東京地裁平成24年10月4日民37部判決が扱った論点が非常に興味深かったので紹介。
判例時報曰く,「確立した見解がなく,民法改正に関する中間試案でも扱われている問題でもある」とのことであり,法律関係者各位の御見解を伺ってみたい。

≪事例≫
・AとYは,YがAに対して有する債権を担保するため,AのB社に対する工事請負代金債権のうち,一定期間の間に発生するものをAがYに対して譲渡するという内容の,将来債権譲渡契約を締結し,これに基づき,債権譲渡登記ファイルに譲渡の登記がなされた。
・その後,AはBとの間で工事請負契約を締結した。その際,AとBは本件請負契約によって生ずる債権について,譲渡禁止の特約を付する合意をした。
・Xは,Aに対して租税債権を有していたところ,AのBに対する請負契約債権を国税徴収法62条に基づき差し押さえた。これに対しYは民法466条2項但書の適用を主張し,当該債権は自らに帰属すべきものであるとして争った。


かかる事案において,東京地裁民事37部は,

譲渡禁止の特約についての善意…の判断の基準時は,債権の譲渡を受けた時であるところ,本件報酬債権に譲渡禁止の特約を付する合意がなされたのは,被告が本件請負報酬債権を譲り受ける契約を締結した後のことである…から,…善意について論ずることは不可能であって,無意味というほかない。したがって,本件債権譲渡契約により被告が本件請負報酬債権を取得したとは認められない。

として,X勝訴の結論を導いた。
 
 本論点は,「将来債権譲受人の将来債権譲渡に対する期待」と「第三債務者の債権者固定の利益」との調整という,非常に微妙な利益衡量が求められる問題であり,これにつき学説が大きく対立しているのも頷けるところである。

 安易に譲渡禁止特約の効力を広く認めれば,当然将来債権譲渡の担保的機能を大きく損なうことになる。極端な話,債務者と第三債務者間で債権発生時に譲渡禁止特約を必ずつけるようにすれば(第三債務者において,譲渡禁止特約をつけるインセンティブは低くなく,債務者の申出さえあれば,容易に合意を形成することが可能であろう),債務者において将来債権譲渡を「骨抜き」にしてしまうことも可能となるのである。この事実は非常に重たいのであるが,他方で譲渡禁止特約を完全に劣後させてしまえば「第三債務者において,債権者が移動することを回避する手段がなくなる」ということもある。(工事請負契約を締結した直後に,見知らぬ第三者が債権者となるという不利益を回避することが難しいのである。)

 もし,東京地裁が単に「基準時」の一事だけに注目すると言う,形式的な論理で結論を導いたのだとすれば,俄かには賛成できる結論ではないが,上記の対立利益を考慮をしたうえで,後者の利益を重く見て下された結論なのだとすれば,それなりに支持できる。

 ただ,本判例の論理によれば「発生後,事後的に譲渡禁止特約が付された場合」や「特定将来債権譲渡で第三債務者も債権者の存在を認知していたような場合」にも,譲渡禁止特約の優先を認めざるを得ないと結論付けるのが自然ということにはなろう。その意味で,当該判例の射程範囲は相当に広いものがある。しかしながら,右のような第三債務者に回避可能性が一定程度保障されていた場合についてまで,譲渡禁止特約の優先を認めるのは利益衡量上妥当ではないと考える。本判決は,事後的な特約付与を無効とすること(構成としては,発生と同時に権利が移転した,とすることなどが考えられよう)や,信義則による譲渡禁止特約の制限などの論理を睨んだ上での結論であってこそ初めて支持できるものと考える。

訴訟は,敗訴当事者の控訴なく,この一審判決で確定してしまっている。最高裁の判断を見れなかったのは個人的には少し残念であるが,いずれにしても実務にも少なからず影響を及ぼす判例であるということができよう。

noon No.44

[ヌーン]noon 腕時計  44シリーズ 44-BK.M-CB メンズ 【正規輸入品】
[ヌーン]noon 腕時計 44シリーズ 44-BK.M-CB メンズ 【正規輸入品】 [時計]

という腕時計を新しく買いました。
先日の梅田巡りの際に,出会った一品。
カラフルな色遣いが特徴的で,自分にしては珍しく遊び心のあるものを買ったものです。

最大の特徴は,カレイドスコープ(万華鏡)という機構。
実はこの時計,短針には後ろの「青色と黒色が半分に割れているディスク」,
長針には,「スモーク掛った半円状のディスク」がそれぞれ付いていて,
時々刻々と動く針の動きに合わせて両方のディスクが回転し,
時刻によって,違う表情が楽しめるのです。
写真のような,10時10分の時刻や,6時ジャストなど,
色合いにバランスが取れている時の美しさは見事で,
次にその時刻が来るのが楽しみになります。

価格もかなり安く,
Made in Chinaながら,それなりにしっかりとした作りをしています。
メッシュのベルトの質感にも満足。
また,写真では薄そうに見えますが,厚さ9mmのケースは
それなりに存在感があり,個人的には満足です。

さて,noonの時計には,
 「観察力と計画性」
「冷静と愛情」
などといったキーワードがあるのですが,
僕が買った,このスカイブルーと黒のキーワードは,ズバリ

誠実と思いやり

職場の方にその話をすると,kokさんらしいですね。と言われたのですが,
姉にその話をすると苦笑いしていました。
自分でも「らしい」と思うのですが。果たして。
ギャラリー
  • あいちトリエンナーレ2013~Awakening 揺れる大地~
  • 堂島リバービエンナーレ2013(@堂島リバーフォーラム)
  • エヴァンゲリヲンと日本刀展(@大阪歴史博物館)
  • エヴァンゲリヲンと日本刀展(@大阪歴史博物館)
  • エヴァンゲリヲンと日本刀展(@大阪歴史博物館)
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  • エヴァンゲリヲンと日本刀展(@大阪歴史博物館)
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  • 美の響演~関西コレクションズ~(@国立国際美術館)