kokblog

更新したり,しなかったり。

ダウン・バイ・ロー

「そもそも法律とはなんなのか」
「それは正義と言えるのか」
そんなことを考えている人の話を某所にて見ました。

「法律とは何か」

非常に哲学的な問いかけですが,この問いかけについて,
個人的には,割とシンプルな答えを結構以前から持っていて,
それは今でも変わっていません。

個人的な解釈では,
法律とは,暴力そのものだと思います。
そこには本来的に絶望しかない。
ただ,その絶望の中に,希望的なものを見出そうとするなら,
まずその絶望に対する自覚と,覚悟,そして,
何よりも誠実さがなければならないのだと思います。
逆説的な言い方になりますが,決して希望には辿りつけないと分かってなお藻搔くその姿の中に,
希望的なものが少し見えるのかな,と思います。

そしてそれは,権威や独善とは全く逆の地平にある。

誠実に,覚悟を決めて,法律に携わっていきたい,
と,心からそう思います。

エヴァンゲリヲンと日本刀展(@大阪歴史博物館)

NCM_0081NCM_0083













何かと話題の「エヴァンゲリヲンと日本刀展」に姉と共に行って参りました。

日本を代表する刀匠が,本気で「エヴァンゲリヲンの世界に出てくる刀剣類」や,
「エヴァンゲリヲンの世界観を基にした新作刀剣」を作ったらどうなるか,というこの展覧会。
日本を代表するアニメと日本を代表する美術工芸のコラボレーションに相応しく,
会場はかなり多くの人で賑わっていました。
客層は,主としてエヴァ・フリークの方々が多かったのですが,
(↑これは着ているTシャツや興味の示し方で分かるのです。)
中には純粋に「Japanese Sword」を見に来た外国の方や御年輩の方も見られ,
コンテンツとしての「日本刀」の強さも垣間見えました。

展示自体は「大変面白かった!」の一言。
とにかく日本刀はそれそのもの自体で美しく,
「アート」としても非常に高いレベルの戦闘力を持っているうえ,
人気アニメとのコラボレーションで,「俗っぽい」面白さも兼ね備えていて,
攻守ともに隙がありません。
「コンセプトの深み」のようなモノこそありませんが,
日本刀そのものの美しさに酔いしれ,人気アニメのアイテムの具現化という,
その事実そのものに浸れば,本展覧会は観覧者に大きな楽しみを与えてくれます。

ハイライトはなんといっても,「ロンギヌスの槍」。
その大きさもさることながら,「ねじねじ」の部分が非常に美しく,
「よくこんなものを作ったな」と驚嘆するばかり。
精密に作られた彫刻や,巨大な彫像を観たときと同様の,
大変大きな驚きと感動を与えてくれました。
NCM_0092NCM_0103














その他のプログレッシブナイフなど「再現系」の刀剣も,
当然の如くエヴァファンの興味を惹きます。
刀身から柄,鞘までこだわり抜いて作られたそれらの刀剣は,
観る前の期待を遥かに超える完成度で我々を出迎えてくれました。

また,「エヴァンゲリヲンの世界観を基にした新作刀剣」も相当な出来。
各キャラクターの特色や特徴が,刀に見事に反映されており,
コンセプトワークから考え抜いた刀匠の苦悩が目に浮かぶようでした。
一押しは,アスカモデルの刀剣。
アスカカラーにネルフのロゴのついた柄も大変美しかったのですが,
何と言っても刀剣自体に彫られたアスカの彫像が目を引きます。
俗っぽいと言えば俗っぽいコンセプトワークではありますが,
その技術そのものに,これまた驚嘆させられました。

NCM_0107NCM_0108

















鑑賞の前は,若干「イロモノ」的な雰囲気も感じていた展覧会でしたが,
全体として,「エヴァ」そのものの面白さもあり,日本刀そのものの美しさも十分に活かされた,
幸福なコラボレーションだったと思います。
エヴァファンなら行って損はしない展覧会だと思いますよ。

おおきく振りかぶって

おおきく振りかぶって (1)
おおきく振りかぶって (1) [コミック]
正確には姉が買った本,ということになりますが,
オススメの漫画です。
もとはと言えば,僕が先にアニメでハマっていて,
姉が後からハマった,という感じなのですが,
今では姉の方がどっぷりと漬かっています。

タイトルから分かる通り,野球漫画なのですが,
主人公は「ヘナヘナのボールしか投げれない,
ナヨナヨした卑屈なピッチャーの三橋」。
(この段階で,この漫画が如何に曲者かが分かるでしょう。)
そのひとクセもふたクセもある主人公が,
周りの仲間と共に成長しつつ,甲子園優勝を目指す姿,が描かれており,
平凡なスポ根サクセスストーリーとは一線を画す,
ある種特殊な,それでいて「本格的な」高校野球漫画と言われています。

本作が「本格的」と言われる所以は,
著者による入念な取材に基づいて,
高校野球のありとあらゆるディテールが描かれていることにあります。
例えば,メインとなる試合の描写においては,
「投げた!」「打った!」の様子よりも
「投げるまで」「打つまで」の膨大な駆け引きの方に描写の重点が置かれています。
その,従来の野球漫画ではなかなか描かれてこなかった高度な読み合い,仕掛け合いの描写は,
野球をしたことがない層にも,あるいは野球すら全く知らない層にさえ,
十分「野球の試合」を楽しませてくれます。
また,試合の外の風景の描写も見事で,
登下校中の会話から,マネージャーの仕事風景,
父母会の応援の様子や,男同士の下ネタ話に至るまで,
高校野球を取り巻く諸々が「これでもか」という程に書きこまれています。
これらのディテールの描写により,本作は圧倒的なリアリティを獲得しており,
ストーリーとして異端であるにもかかわらず,方々にて,
「本格的高校野球漫画」
と評されることとなっているのです。

もう一つの本作の魅力は,
大学で心理学を専攻していたという著者ならではの,
見事な心理情景描写でしょう。
登場人物の心の揺れ動きや,機微が,
これまた細かく描かれており,その一つ一つに「わかるなあ」「そうそう」,
と思わず頷いてしまいます。
時々,自分の心の中を抉られるような描写もあり,
読んでいて胸が苦しくなることもあります。

また,登場人物のキャラクターが「キャラ立ち」していることも大きな魅力です。
主人公の三橋の他,
切れ者ながらやや傲慢な所のあるキャッチャー阿部,
天才的なセンスを持ち,天真爛漫な所がありながら繊細な所のある田島,
真面目すぎる部分があり,田島の壁を常に意識させられているキャプテン花井などなど
各々のキャラクターにそれぞれの魅力があり,
キャラクターウォッチングをしているだけでも飽きません。
読了後は,「どのキャラが一番好きか」「どのキャラに感情移入できたか」
ということを思わず話したくなってしまうこと請け合いです。

野球経験者の方からすれば「現実はそんなに甘いもんじゃないよ」
と怒られてしまいそうな「都合のいい」ファンタジーな部分もあって
やっぱり漫画だなあとは思いますが,
それだけでは片づけられない,本当に大きな魅力を秘めた漫画だと思います。
著者ひぐちアサさんは,本作で
2006年第10回手塚治虫文化賞・新生賞、
2007年第31回講談社漫画賞・一般部門を受賞されているのですが,それも頷けます。
「未読の方は是非」と,自信を持って勧められる本当に数少ない漫画の一つです。

ちなみに,僕の一番好きなキャラクターは迷いに迷った挙句阿部なのですが,
姉の一番好きなキャラクターは栄口くんだそうです(笑)。
(わからないでもないですが,セレクトがコアすぎませんか…?)
ギャラリー
  • あいちトリエンナーレ2013~Awakening 揺れる大地~
  • 堂島リバービエンナーレ2013(@堂島リバーフォーラム)
  • エヴァンゲリヲンと日本刀展(@大阪歴史博物館)
  • エヴァンゲリヲンと日本刀展(@大阪歴史博物館)
  • エヴァンゲリヲンと日本刀展(@大阪歴史博物館)
  • エヴァンゲリヲンと日本刀展(@大阪歴史博物館)
  • エヴァンゲリヲンと日本刀展(@大阪歴史博物館)
  • エヴァンゲリヲンと日本刀展(@大阪歴史博物館)
  • 美の響演~関西コレクションズ~(@国立国際美術館)